飛んだ!安達太良山の火口まで!「Wingcopter」写真測量による積雪調査に成功!

飛んだ!安達太良山の火口まで!「WINGCOPTER」写真測量による積雪調査に成功! ニュース
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 皆さまこんにちは。SkyLink Japan技術部の生田です。
寒さの中にも少しずつ春の足音が近づいているのを感じだしました。
 さて、今回は、1月28日に実施しましたVTOL型ドローン「Wingcopter」を使って実施した福島県 安達太良山での積雪調査(検証試験)について紹介したいと思います。

VTOL型ドローン「Wingcopter」について

 VTOL型ドローンの特長は、簡単に言うと「陸上滑走をせずにヘリコプターのように垂直に離着陸できる飛行機」です。
マルチコプターとは皆さんがイメージしているドローンですね。
固定翼(いわゆる飛行機)の良いとこ取りをしている機体とも言えます。

その中でも「Wingcopter」は、最大積載量が4kgあり、測量用カメラやLiDARを搭載できます。
さらに最高速度150km/hに加え、長距離飛行(最大100km)であるため、測量や輸送用途に適したドローンです。

今回の調査について

 今回の調査は、国土交通省 東北地方整備局 福島河川国道事務所様でのUAV(ドローン)を用いた写真測量技術による積雪深調査(検証試験)の取り組み(以下のリンクをご参考)となり、弊社は、VTOL型ドローン「Wingcopter」の運用で協力をさせて頂きました。

積雪期に大規模な噴火が起きた場合、雪が溶ける事で濁流が流れ出す事態が想定されます。
そのため、火口周辺の積雪量を迅速に把握する事が非常に重要になってくるので、その手法の一つとしてドローンを利用した積雪量把握が注目されています。

本調査の目的:
・冬期に安達太良山が噴火した場合、融雪型火山泥流が発生する可能性がある。
・融雪型火山泥流の流下範囲を想定するためには、火口周辺の積雪状況を把握することが必要。
・安達太良山の想定火口周辺(沼の平)は立入禁止のため、積雪観測が困難。
⇒UAVを利用して積雪を把握する手法を確立することが重要。

出典:安達太良山の火口まで!! – 国土交通省 東北地方整備局

今回、VTOL型ドローン「Wingcopter」を活用して頂いた理由としては、

  • 火口周辺調査は、安全距離とされている5km以上の長距離を飛行させることが必要。
  • 長距離飛行には固定翼機の信頼性、安定性が高い。
  • 垂直離着陸型の固定翼機であれば滑走路がなくても調査が可能。

といった、従来のマルチコプターでは対応できない現場での理由がありました。

SkyLink Japanの写真測量ソリューション

 今回の調査に向けて、SkyLink Japanでは、ドイツWingcopter GmbH社製「Wingcopter178 Heavy Lift」VTOL型ドローンに、
超高画素カメラPhaseOne社製「iXM100MP」+レンズ「RSM 35mm」
高精度測位システム「KLAU PPK UNIT」を搭載する機体開発を行いました。

 今回の飛行した現場は、山間部から頂上の火口にかけて、木や山斜面の高い障害物があり、なるべく高い高度での飛行が必要でした。
この高い高度からでも数センチの分解能で撮影できるのがこの超高画素Phase Oneカメラとなります。
今回、火口部での高度設定は260m程度ですが、それでも地上分解能は3cm程度を確保することができます。
また、1枚で撮影できる範囲は長辺300m程度と広く、「Wingcopter」の80km/h以上の高速飛行を活かした効率の良い広範囲撮影が可能です。 
 さらに、「KLAU PPK」の高精度位置データにより、撮影データからSfM(Structure from Motion)処理による3Dモデル作成において±3cmの絶対位置精度が実現できます。

Phase One – iXM-100
KLAU PPK

それでは、当時の現場状況をお伝えします!

■1月28日(木):天気は曇り。日射はやや暗めですが、風はほとんど無し。

飛行撮影調査には良い状況です。
ただ、積雪調査とあって、現場は広大な雪景色が広がります。
地面も凍っているのでスタッフは滑らずに慎重に準備をしていきます。
 1時間ほどで機体の調整、地上局のセッティングが完了し、目の前奥の安達太良山の火口に挑みます!
今回の飛行は自動操縦となり、事前に計画を作成したフライトプランデータ(場所、高度、速度等の設定)に従って飛行をしていきます。

飛行中は、地上局でテレメトリー情報(位置、機体状態)と機体に搭載したFPVカメラからの伝送映像によって飛行状況をリアルタイムに把握しています。

↓↓■離陸!

ホバモード(回転翼モード)で設定高度まで上昇していきます。

↓↓■高度45m。トランジション!

飛行機モードに変形し、一気に前進していきます。
挑戦の旅が始まります。

↓↓■離陸約8分後:安達太良山の火口付近に近づく

地上局のFPVモニターに火口が映りました。
「火口が見えた!」
会場では、スタッフや報道の方からも歓声があがります。
ミッションは、ようやく折り返し地点。まだまだ緊張の時間が続きます。

機体搭載FPVカメラの録画映像: 綺麗な景色が広がります。

↓↓■離陸約18分後:戻ってくる機体がどんどん大きく見えてくる

地上局の上空に戻ってきました。
【トランジション!】
ホバモード(回転翼モード)に変形し降りてきます。最後まで気が抜けません。
【着陸!】
会場では、再度、歓声があがります。

↓↓■まだ気が抜けない

会場では、和やかに報道の方との記者会見が行われています。
ただし、まだ気が抜けません。
測定データがきちんと取得できているかも重要です。
Phase Oneカメラデータ、KLAU PPKログデータ、FPVカメラ録画データのそれぞれをパソコンで確認していきます。
「うん、綺麗に撮れている!」
ようやく、スタッフに安堵の時間が戻ってきました。

↓↓■後日、SkyLink Japanにて

 取得した写真データと位置データから、SfM処理で3Dデータを作成しました。
 「これは凄い!」
カルデラの様子、岩の表面など見事な安達太良山火口部の3Dデータが出来上がりました。
「Wingcopter」、「Phase Oneカメラ」、「KLAU PPK」ソリューションの実力を実感できた瞬間です。
出来上がった3Dデータ結果はまたの機会にご紹介できればと思います。お楽しみに!

 今回の調査では、全ての日程において事故なく無事終了することができました。
ご協力頂きました皆さま、本当にありがとうございました!

これから

今回の調査でもいくつかの課題に直面しました。
そういった課題を一つ一つクリアしながら、SkyLink Japanはさらなる物資輸送、広域測量、広域点検、災害対策などの実証実験や業務を数多く実施し、社会実装を推し進めてまいります。
そして、様々な関連サービスを皆さまにお届けしていきます!

※Wingcopter、PhaseOneカメラ、KLAU PPKについて、
今まで弊社ブログでもご紹介していますので、こちらの記事もご参照ください。

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