VTOL機「Wingcopter」を使ったレベル3飛行による実証実験の様子をご紹介

VTOL機「Wingcopter」を使ったレベル3飛行による実証実験の様子をご紹介 ニュース
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皆さまこんにちは。SkyLink Japan オフィシャルブログです。

今回はVTOL機である「Wingcopter」と、Wingcopterを使った実証実験の様子を少しだけご紹介いたします。

Wingcopter 178 Heavy Lift

VTOL機とは?

VTOLとは「Vertical Take-Off and Landing Aircraft」の略で、日本語では「垂直離着陸機」と訳されます。読んで字のごとく、垂直に離陸も着陸もできる飛行機のことを指しています。皆さんお馴染みのVTOL機と言えば、オスプレイでしょうか?

特徴を簡単に表現すると「陸上滑走をせずにヘリコプターのように垂直に離着陸できる飛行機」で、マルチコプターと固定翼のいいとこ取りをしている機体とも言えます。

世界で活躍するWingcopter

Wingcopter 178HL スペック
名称Wingcopter 178 HL
製造国ドイツ
離着陸方式垂直離着陸
機体幅178cm(W) X 132cm(L) X 52cm(H)
最大離陸重量18kg
ペイロード6kg
最高速度150km/h
運用限界高度最大5km
航続距離100km以上
飛行時間最大120分
最大風圧抵抗最大15m/s
最大上昇速度最大6m/s

2018年、タンザニアのムワンザからナンシオ病院へ薬を届けるというプロジェクトが成功しました。

この他にも2018年、ユニセフが行ったバヌアツ共和国の83の島々に住む子供たちにワクチンを届けるというプロジェクトがあり、こちらでもWingcopterが試験運用機として活躍しました。

VTOL機、日本ではどう活躍する?

世界で活躍しているような輸送分野での活躍はもちろんのこと、広域に渡る航空測量やインフラ点検、災害対策等でも活躍すると考えています。そういった状況をふまえ、SkyLink Japan ではこれらのソリューション開発を行っています。

その一環として、2020年3月に徳島県でレベル3(目視外補助者無し)飛行を含む実証実験を複数回行ってきました。少しだけ当時の様子をお伝えしたいと思います。

レベル3(目視外補助者無し)飛行を含む実証実験@徳島県の様子

今回は、以下を目的とした実証実験を行いました。

  1. VTOL機とLTE通信を用いた長距離通信システムの構築
  2. 山間部および海上における上記システムの運用限界の検証
  3. 長距離目視外飛行を行う上での運用体制の構築
  4. VTOL機の安全な運用方法の検討
  5. 各種法律に基づく許可申請プロセスの確立

■レベル3飛行とは

無人地帯での目視外飛行を「補助者なし」で行う飛行方法。

現行の航空法の許可・承認基準で定められている目視外飛行における補助者の役割を簡単に説明すると、以下の3点となる。

  1. 第三者が飛行経路に近づいた場合に第三者または操縦者に注意喚起を行い、第三者への衝突を回避させること
  2. 飛行経路周辺で有人機等を確認した場合に操縦者へ助言し、有人機等への衝突を回避させること
  3. 飛行中の機体の飛行状況や気象状況を常に監視し、安全運行に必要な情報を操縦者へ助言すること

レベル3飛行では、これらの補助者の役割を、機体、地上設備等で代替する必要があること、また、飛行させる場所の制限や機体の信頼性の確保が必要という非常に高いハードルが設けられている。こういった理由から、国内でもレベル3飛行を行ったケースは10数件しか確認出来ていない。

フライト前、機体のチェックを行いWingcopterの輸送ボックスに物資を入れている様子。

中身はというと、、、徳島県那賀郡那賀町の名物「はんごろし」!

インパクトの強いネーミングですが、あんこをうるち米ともち米のご飯で包み、 そのまわりにきな粉をまぶした、いわゆる「おはぎ」です。地元の方にも人気で朝の開店と同時に売り切れるという話を聞いていたので、まさか入手できるとは思ってもみませんでした!実証実験にご協力頂いた那賀町役場の皆さんが朝早くからお店に出向いてくださったお陰です。(ありがとうございました!)

当日は関係者全員でハード、ソフト、それぞれ様々な準備とチェックを念入りに行い実験に挑みました。

関係者、ご協力頂いた那賀町のみなさん、メディアの方々が見守るなかマルチコプターモードで離陸するWingcopter

ちなみに、ドローンでもWingcopterの飛行の様子を撮影していました。

無事、A地点(那賀川下流)からB地点(那賀川上流)片道約2kmの往復物資輸送を行うことができ、最後は「はんごろし」を片手に記念撮影!

別の日には海を渡って約5.6km先にある離島と物資のやり取りを行う実証実験も行いました。

徳島での実証実験は、全ての日程において事故なく無事終了することができました。 ご協力頂きました皆さま、本当にありがとうございました!

これから

「全ての日程において事故なく無事終了することができた」とはいえ、毎回の実験で沢山の課題にも直面しました。そういった課題を一つ一つクリアしながら、SkyLink Japanはさらなる長距離飛行、物資輸送、広域測量、広域点検、災害対策などレベル3での実証実験を数多く実施し、社会実装を推し進めてまいります。またそれらの実証実験を通してレベル4に向けた課題を抽出し、レベル4の早期達成を目指すことで、様々な関連サービスを皆さまにお届けしてゆきたいと考えています。

【実証実験 実施団体】

株式会社WorldLink & Company(SkyLink Japan)

株式会社WorldLink Protech

株式会社MMラボ

徳島大学

京都大学

Wingcopter GmbH

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